カエル先生のマーケットハイライト(2019年4月編)

カエル先生の株式相場プレイバック/ 日興フロッギー編集部平松 慶

株式マーケット全体の「温度感」がわかる連載「カエル先生のマーケットハイライト」。5月1日から新しい元号「令和」の時代が始まりました。平成最後となった4月の株式相場はどうだったのでしょうか。マーケットの「今」をカエル先生が解説します。

カエル先生の一言

4月は中国や米国の景況感の改善で日経平均は年初来高値を更新しました。英国のEU離脱問題で、EUとの交渉期限が3月末から10月末へと延期されたことも追い風になった模様です。5月は引き続き3月期決算企業の本決算発表と、日米通商交渉の行方に注目です!

4月は世界景気に対する安心感で株価上昇

4月26日の日経平均株価は2万2258円となり、前月末比1052円高でした。
3月末に発表された中国の景気指標(3月製造業PMI)や、米国で景気指標(3月ISM製造業景気指数※)などが、市場予想を上回ったことなどにより、投資家心理が改善。世界景気に対する安心感から、4月の株価は上昇トレンドをたどりました。

※ISM製造業景気指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management)が公表しているアメリカの製造業の景況感を示す指数のこと

速報性の高い「景況感」はインパクト大

株価の方向性を決めてしまうほど大きな影響力をもつ「景況感」。どのような調査かというと、たとえば「製造業PMI」の場合、製造業にかかわる購買担当者に対して、いま景気が良いと感じているか、悪いと感じているかをアンケート形式でヒアリングしています。

株式市場は常に、新しいニュースや先々の景気に関することを織り込む傾向があります。この「景況感」系の指標は経済指標の中でも特に速報性が高いため、投資家心理や株価に大きな影響を与えます。4月の相場でも、3月末と4月1日に発表された中国と米国の景況感指標が事前の予想を上回ったために、「企業業績も良くなっていくかもしれない」というムードが広がりました。

株式市場全体のトレンドや、投資家の心理を考えるにあたっては、まずこうした「景況感」に関するニュースをチェックするようにしましょう。

中国で活躍する企業に注目!

今回は、中国の景況感回復が確認できたことから、中国関連銘柄に注目してみましょう。5月5日には、トランプ米大統領が中国への制裁関税の引き上げを表明したことから、再び米中貿易に対する不透明感が高まっています。ただ、最悪期はすでに脱しているものと考えられるほか、すでに企業側も業績の悪化を織り込んだ業績予想を発表しています。もしここで株価が再び下落したとしても、下値は限定的にとどまるのではないでしょうか。


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