新連載「カエル先生のマーケットハイライト」がスタートします! 株式投資をするうえでは、企業の個別業績はもちろん、株式マーケット全体の「温度感」を知ることも大切です。いま株式市場は楽観的なのか、悲観的なのか、世界の投資家がどんなことに注目しているのか。本連載でマーケットの「今」をカエル先生が解説します。
3月は景況感の悪化で日経平均が一時700円超安となる場面もありました。ただ、マーケット全般でいうと、米国の年内利上げ見送りが株価をサポートしていたようです。4月は3月期決算企業の決算発表内容と新しい業績見通しに注目ですね!
3月は景況感の悪化で日経平均が一時700円超安となる場面も
3月29日の日経平均株価は2万1205円となり、前月末比179円安でした。
月前半は相場を大きく動かすような報道もなく、株価は横ばいの推移をたどっていました。しかし、3月22日に発表されたドイツの製造業における景況感を表す指標が大きく落ち込んだことで、投資家心理が悪化。週明け3月25日の日経平均株価は一時700円超となる場面がありました。
米国の年内利上げ見送りが株価をサポート
一時的に株価が急落する場面こそありましたが、3月の相場全体でみると、日経平均は底堅い展開でした。それを支えたのが、「米国の年内利上げ見送り」です。
一般的に、景気が良くなってくると、企業の利益が増え、個人の消費も増えてくるので、物価が上がる傾向があります(=インフレ)。それ自体は良いことなのですが、インフレが行き過ぎると、いわゆるバブルを発生させてしまうため、中央銀行は政策金利の引き上げ(=利上げ)を行い、インフレを抑制しようとします。
昨年までの米国はまさにこうした好景気の中にあり、米国の中央銀行であるFRB(米連邦準備制度理事会)は緩やかに利上げを実施していました。しかし、年後半以降の米中貿易摩擦などの影響により、景気は徐々に減速の兆しが出始めました。そうした中、3月19〜20日に行われたFRBの会議で、「いまのところ、年内はもう利上げする予定はない」ということが示されたのです。景気が減速する中での利上げは株価のマイナス要因。それが取り除かれたことで、株価は下がりにくくなったものと考えられます。
4月は企業の決算発表内容と業績見通しに注目!
4月以降の株価を考えるには、4月下旬から公表される3月期決算企業の決算発表が注目ポイントです。決算の結果そのものも重要ですが、特にチェックしたいのはこれからの業績見通しです。
一般的に、企業はこれまでの決算内容を発表すると同時に、これから始まる決算期の業績予想を公表します。それは企業が日ごろの業務活動で感じている「いまの景況感」を反映しているケースが多いです。そのため、マーケットでも注目が集まりやすく、その後の株価にも大きな影響をあたえがちです。
各業界を代表するような企業で、決算発表日が早い企業の決算内容・業績見通しをチェックしておきましょう。
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