警備ニーズ増加とキャッシュレス決済の主役2社が追加に 1月の日興ストラテジー・セレクション

ここが狙い目! 日興ストラテジー・セレクション/ 日興フロッギー編集部岡田 丈

今の投資環境をもとに旬な銘柄を毎月選定している「日興ストラテジー・セレクション」。1月号では、セキュリティサービスを手掛ける「綜合警備保障(ALSOK)」と、キャッシュレス決済を推進する「GMOペイメントゲートウェイ」の2銘柄が新たに追加されました。大きく相場が動いている時こそ、しっかりと有望銘柄を見定めて、これからの銘柄選びの参考にしてみてはいかがでしょうか。

社会の安全・安心を見守るガードマン「綜合警備保障(ALSOK)」

2019年以降、相次いでビッグイベントの開催が予定されていて、社会的に高まりつつあるセキュリティニーズ。そんな中で活躍が期待されるのが警備業界です。5月1日の新天皇即位の礼に始まり、6月末に大阪で開催されるG20サミット首脳会議、秋のラグビーW杯、そして2020年夏の東京五輪と目白押し! 現在決定されているイベントだけを見ても、警備ニーズの高まりがわかります。

いつでも・どこでもすぐに駆け付けます! 人々の心強い味方

警備と聞くと、銀行やオフィスビルの出入口で厳しく目を光らせたり、夜間に施設内を巡回し、安全を確認するガードマンが思い浮かぶのでは? しかし、警備といっても業務はさまざまで、交通誘導、雑踏警備、貴重品運搬、身辺警備など多岐にわたります。

そんな社会の安心・安全のために活躍しているのが、警備業界大手の「 綜合警備保障 」です。ALWAYS -SECURITY-OK(ALSOK)の名のとおり、「いつでも・どこでも」多様な警備ニーズに対応しています。業績も好調で、けん引役となる機械警備では、法人・個人向け合わせて約92万件(2017年度)と、契約件数を着実に伸ばしています。

機械警備はセンサーで異常を検知し警備員が駆け付けるというものです。オフィスビルなど商業施設やホームセキュリティを中心に、侵入・火災・設備監視などに対する利用ニーズをがっちり取り込んでいます。

18年3月期まで8期連続増収と業績は好調です。収益面では人件費などのコスト増という課題に直面してはいるものの、価格転嫁により収益性の改善が見込まれ、19年3月期には9.9%営業増益を会社側は計画しています。警備ロボットの高機能化やAI、5G、高性能カメラを駆使した警備モデルの高度化へも取り組む同社。自社の成長もしっかりガードが期待されます。

どんな決済方法もおまかせ! 「GMOペイメントゲートウェイ」

社会の高まるニーズに応える企業といえば、「 GMOペイメントゲートウェイ 」にも注目です。同社は販売事業者とカード会社等の決済事業者との間の決済情報を繋ぎ、決済を効率よく実現する「決済代行」サービスを主力事業に、「金融関連」「決済活性化」を合わせた3つの事業を展開しています。

日本のEC化率(商取引のうち、電子商取引が占める割合)は、2010年の2.8%から2017年の5.8%と高まってきており、同社の加盟店数も連動するように増加してきています。こうしたノウハウをこれからさらに活用できそうなのがキャッシュレス決済分野です。

培ったノウハウでキャッシュレスに幅広く対応

消費増税時の政府の対策としてポイントがもらえたり、スマホ決済アプリ「PayPay」による「お金が戻ってくるキャンペーン」などで、事業者・消費者ともに関心を高めているキャッシュレス決済。

しかし、ひとくちにキャッシュレスといっても、クレジットカード、電子マネー、スマホ決済、仮想通貨決済など、決済方法は多種多様です。同社が展開している「PGマルチペイメントサービス」は、こうした多様な決済方法から事業者が自由に選択できる総合システム。売る側・買う側の利便性に貢献しながらキャッシュレス決済のスムーズな運営をサポートしています。

2016年時点で日本のキャッシュレス化比率は2割程度と低く、政府は2025年までに40%程度に引き上げようとしています。GMOペイメントゲートウェイが持つノウハウは、今後拡大が見込まれる実店舗でのキャッシュレス化でも、決済サービス先行者としての活躍に期待が持てそうです。

キャッシュレス化の波に乗り、18年9月期は営業利益で前期比65.9%増の65.5億円を実現しました。今後もこの流れは続くと考えられ、2020年9月期には営業利益100億円超を目標にしています。キャッシュレス決済の恩恵を受ける候補として、目が離せない企業と言えますね。

インバウンドと政府の後押しが追い風に

2025年には大阪での万博開催が決定し、国際的なビッグイベントの開催地として、日本の勢いは止まりません。多くの訪日客を迎える商業施設などでは警備ニーズが高まります。また、インバウンド消費による需要増加に加えて、政府が後押しするキャッシュレス決済の成長ニーズも見逃せません。こうした社会の大きなうねりの中心となる2社にこれからも注目していきたいですね。

2019年1月号では、「日本空港ビルデング」が除外となりました。
同社はインバウンド増加の恩恵を受けていますが、東京五輪に向けた各種施策による先行的費用の増加などから、2020年3月期の業績に不透明感が漂っているためです。
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