ソフトバンクがついに上場! 2018年のIPOまとめ

IPOって儲かるのか会議/ 日興フロッギー編集部

本日は「 ソフトバンク 」の上場日! 売出総額はなんと2.4兆円。1987年に上場したNTT(約2.4兆円)と肩を並べる、超大型IPOとなりました。そんな歴史的なIPOで締めくくろうとする2018年のIPOマーケットはどうだったのでしょうか。IPOが好調な背景は? 大きく上昇した銘柄は? 株式市場全体の動きとともにIPOマーケットの動向を振り返ってみましょう。

27年ぶりの高値回復も束の間

2018年1月4日に2万3506円(終値)でスタートした日経平均株価。トランプ米大統領による関税強化や、それに対する中国の報復関税のニュースなどから、景気の先行きに対する不透明感が高まりました。その結果、企業業績は好調なものの、2019年以降の景気減速などが意識され、株価は上値の重たい展開が続きました

9月には、そうした通商摩擦がいったん緩和するとの憶測が広がり、株価は上昇。日経平均株価は約27年ぶりの高値を回復し、10月2日に高値2万4270円を付けました。しかし、再び米中貿易戦争による景気悪化が意識され始め、株価は下落。10月~11月の中間決算発表では、企業による通期業績見通しの下方修正なども相次ぎ、投資家心理は決して良い状況とは言えなくなってきました。

2社に1社が初値2倍! 2013年以来の好調なIPO環境

そうした中、IPOマーケットは好調を維持しています。2018年1ー11月の上場数は71社でした。12月に上場を予定している20社を加えると、2015年の92社に肉薄する91社が上場することになります。

また、11月までに上場した企業のうち、初値が公募価格の倍以上に上昇した企業は、38社となり、その比率は53.5%にも上りました。なんと2社に1社の割合で初値が倍以上になったことになります。これは、近年で最高だった2013年の53.7%に迫る水準であり、2018年も好調なIPO相場環境だったことがうかがえます。

初値でいきなりテンバガーになったHEROZ

個別でみると、 上昇率トップは企業向けの人工知能(AI)サービスを展開する「 HEROZ 」です。公募価格4500円に対して、初値はなんと4万9000円! 初値でいきなりテンバガーになるという偉業を達成しました。AI技術に対するマーケットの注目度の高さや、発行総額の小ささなどの要因が重なり、買いが集まったものとみられます。

その他では、「アンバサダー」と呼ばれる“自発的にクチコミ/推奨するファン”を通じたマーケティング支援を行う「 アジャイルメディア・ネットワーク 」の初値が公募価格の5倍以上になりました。また、「使った分だけ課金する」サブスクリプション(契約管理)型のビジネスモデル構築をサポートする「 ビープラッツ 」や、業務用食材や厨房機器などを取り扱うECサイトを運営する「 Mマート 」、高精度ミラーや、細胞培養装置を開発する「 ジェイテックコーポレーション 」などの初値が公募価格の4倍以上になりました。

横ばい推移だった株式相場を尻目に、テンバガーを生み出し好調だった2018年のIPO市場。2019年も公募株比率に着目したり、上場する市場などに注目しながら、元気なIPO銘柄をチェックしていきたいですね。

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