11月に株主優待を実施するのは全37銘柄。定番の食品や美容・健康関連商品などの自社関連商品、人気店でのショッピングや外食に使える優待券など、バラエティに富んだ魅力的な優待が揃っています。また、全体的にはQUOカードをもらえる優待が多いのも特徴です。今回はその中から、ジャムなどがもらえる「アヲハタ」、買物券でお得にショッピングが楽しめる「ヴィレッジヴァンガードコーポレーション」など、9銘柄をピックアップしました。
果実味たっぷりのジャムをたっぷり【アヲハタ】
■権利月:11月
■最低投資金額:26万9400円(10/29終値:2694円×100株)
■配当金額(会社予想):18円
■予想配当利回り:0.67%
イチゴジャムやオレンジマーマレードなどのジャム製品でおなじみの「 アヲハタ 」。家庭用びん詰ジャム市場の市場占有率は約50%で、「アヲハタ55ジャム」で知られる低糖度ジャムでは約70%と、高いシェアを維持しています。また、キユーピーの連結子会社でもあり、パスタソースなどの製造も手がけています。2018年11月期は砂糖を使わず果実と果汁で作ったフルーツスプレッド「アヲハタ まるごと果実」シリーズなどが好調で、会社予想は増収増益を見込んでいます。
株主優待は、100株以上で1000円相当、1000株以上で3000円相当の自社製品詰め合わせです。前回の100株保有時の優待品はジャム3種類とパスタソース2種類の全5品、また1000株保有ではジャムやパスタソースなど全9品がもらえました。ジャムもパスタソースも、毎日の食卓で使えるものなのでうれしいですね。
「遊べる本屋」の買い物券1万円分【ヴィレッジヴァンガードコーポレーション】
■権利月:11月
■最低投資金額:10万2500円(10/29終値:1025円×100株)
■配当金額(会社予想):14円
■予想配当利回り:1.37%
「遊べる本屋」をキーワードに、書籍や雑貨類、DVDなど幅広いアイテムを扱っている「 ヴィレッジヴァンガードコーポレーション 」。愛知県が発祥ですが、今では全国に直営・FC合計で354店舗(2018年8月末時点)を展開しています。2019年5月期の会社予想は増収、営業利益は増益を見込むものの、最終利益では大幅な減益です。そこで、中長期の業績改善に向けて、フード事業の売却や新業態「lite」の展開など、さまざまな取り組みを進めています。
優待内容は、100株以上で1000円分の買物券を10枚。利用金額2000円ごとに買物券1枚が使える割引券タイプですが、1万円分もあるのはうれしいですね。長期保有優遇制度もあり、1年以上の継続保有なら買物券が1枚追加、2年以上なら2枚追加されます。「ヴィレッジヴァンガード」はもちろん、一部の業態を除きグループ各店で利用可能です。ユニークな商品が盛りだくさんのお店で、お得なショッピングを楽しんでみては?
スイーツで優雅なティータイムを【マルカキカイ】
■権利月:11月
■最低投資金額:22万8200円(10/29終値:2282円×100株)
■配当金額(会社予想):43円
■予想配当利回り:1.88%
「 マルカキカイ 」は、工作機械や射出成形機などの産業機械を販売する機械専門商社で、建設機械の販売やレンタルも手がけています。日本国内に12拠点、米国、中国、東南アジアに合計23拠点があり、グローバルなネットワークを有していることが強みです。2018年11月期第3四半期は、産業機械の販売好調などにより前年同期で2ケタの増収増益を実現。通期の会社予想も増収2ケタ増益を見込んでいます。また、今期の配当は3円の増配を予定しています。
株主優待は、保有株数によって内容が異なります。100株以上では1000円相当、500株以上で2000円相当のグルメセットで、1000株以上になると3000円相当のグルメギフト券です。このグルメギフト券では、季節の食材や特産品などの中から好きな商品を選ぶことができます。また、前回の100株以上、500株以上でもらえる「グルメセット」はどちらもティータイムにぴったりのモロゾフのお菓子で、100株保有の場合は焼き菓子とチョコレート菓子のセットでした。
秋はしっとり入浴剤、春は使えるQUOカード【スター・マイカ】
■権利月:5月/11月(年2回)
■最低投資金額:14万100円(10/29終値:1401円×100株)
■配当金額(会社予想):32円
■予想配当利回り:2.28%
「 スター・マイカ 」の事業内容は、中古の分譲マンションを取得・保有し、入居者がいる間は賃貸収入を得て、退去後はリノベーションによって価値を高めた後に販売するというもの。常時約2600室の中古マンションを保有しています。業績も好調で、増収増益が続いています。2018年11月期の会社予想では、売上高、営業利益共に過去最高を更新する見込みです。また、配当についても連続増配となっています。
5月と11月の年2回実施される株主優待は、春と秋で異なる優待品がもらえるのが特徴であり魅力です。詳しい優待内容は、100株以上で5月は1000円分のQUOカード、11月は2900円相当の美容・健康・生活関連商品。11月の優待品は、ここ数年入浴剤が続いているので、今年も入浴剤の可能性が高いのではないでしょうか。
優待券の代わりにカタログギフトも選べる!【サーラコーポレーション】
■権利月:11月
■最低投資金額:31万8500円(10/29終値:637円×500株)
■配当金額(会社予想):18円
■予想配当利回り:2.83%
「 サーラコーポレーション 」は、傘下に中部ガス、サーラ住宅、ガステックサービスなど多数の企業を抱える純粋持株会社。グループ会社は全45社に上り、都市ガスやLPガスなどのエネルギー事業を核に、土木・建築やハウジング、カーライフサポートなど全7部門で、暮らしに欠かせないさまざまな事業を展開しています。事業エリアの中心は愛知・静岡。2018年11月期の会社予想は、売上高、営業利益、経常利益は過去最高を見込んでいます。
株主優待の内容は、500株以上で1000円分、5000株以上で5000円分、1万株以上で1万円分の株主優待券。ホテルや飲食店、ガソリンスタンドなど、サーラグループの店舗や施設で利用できます。また、優待券が使える店舗・施設が近くになくてもご安心を。株主優待券と一緒に、食品や日用雑貨類などが掲載された株主優待カタログが送られてきて、優待券を返送することでカタログの中から保有株数に応じて好きな商品を選ぶことが可能です。株主優待の獲得には500株以上必要なので、その点はくれぐれも気を付けてください。
健康第一! 調剤薬局ならではのヘルスケアグッズ【ファーマライズホールディングス】
■権利月:11月
■最低投資金額:5万9200円(10/29終値:592円×100株)
■配当金額(会社予想):14円
■予想配当利回り:2.36%
全国で調剤薬局事業を展開する「 ファーマライズホールディングス 」。ドラッグストア事業も手がけています。「ファーマライズ薬局」や「薬のヒグチ」「ふじい薬局」など、グループ全体の店舗数は全336店舗(2018年5月末時点)です。2019年5月期の会社予想は、残念ながら減収減益、さらに最終赤字を見込んでいますが、新規出店やM&Aを積極的に進めると同時に、不採算店舗の閉店などによる経営効率の向上にも取り組んでいます。
株主優待は、100株以上で次の3つの中から好みの1つを選択可能です。①薬用ハミガキ粉「デンタルポリスDX」、②除菌消臭水「アイポッシュ」、③自社商品券2500円分。自社商品券は、ファーマライズ薬局や薬のヒグチなど自社グループ全店舗で利用できるので、欲しいものが決まっていなければ商品券を選ぶのがよさそうです。なお、2019年以降は優待取得に1年以上の継続保有条件が追加されるため、直前に買って優待がもらえるのは今年が最後となります。
使い勝手のいいQUOカードが1000円分【ファーストコーポレーション】
■権利月:11月
■最低投資金額:10万200円(10/29終値:1002円×100株)
■配当金額(会社予想):38円
■予想配当利回り:3.79%
「 ファーストコーポレーション 」は、2011年6月に設立された1都3県の分譲マンション建設に特化した建設会社です。今年8月には、「資本の効率的な活用を意識した経営を行っている企業」として東証の「JPX日経中小型指数」の構成銘柄にも選ばれています。業績も順調に伸びていて、2019年5月期の会社予想は増収増益の見込みです。また、配当利回りが3.79%(10月29日終値で算出)と相対的に高いのも魅力。さらに、利益に対する配当の割合(配当性向)の基準を30%としていて、現在策定中の中期経営計画どおりに利益が伸びていけば、来期以降の増配も期待できます。
株主優待は、100株以上で1000円分、1万株以上で2000円分のQUOカードです。大手コンビニチェーンをはじめ、一部のドラッグストアやファミレス、書店などで1円単位で使えるので非常に使い勝手のよい優待と言えます。1万株保有は投資金額のハードルがかなり高くなる一方でお得度が下がるため、100株保有で1000円分のQUOカードを狙うのがおすすめです。
お寿司もいいけど、たらこもね!【銚子丸】
■権利月:5月15日/11月15日(年2回)
■最低投資金額:53万7000円(10/29終値:5370円×100株)
■配当金額(会社予想):30円
■予想配当利回り:0.56%
千葉県が地盤で、回転寿司の「すし銚子丸」と「江戸前すし百萬石」を、1都3県に全91店舗(5月15日時点)展開している「 銚子丸 」。関東エリアに重点を置いた出店戦略が特徴で、今期は3店舗の出店を予定しています。今期は収益基盤の強化にも取り組んでいて、具体的にはタッチパネルや皿会計システムの導入などを進めています。2019年5月期の会社予想は、増収、営業利益、経常利益については減益ですが、最終利益は増益の見込みです。
株主優待の内容は、「すし銚子丸」と「江戸前すし百萬石」で利用できる優待券を100株以上で2500円分、200株以上で5000円分。店舗があるのは東京・千葉・埼玉・神奈川に限られますが、優待券を返送することで自社特選品も選択可能です。前回の100株保有時の自社特選品は、甘塩特選たらこ(約400g)または銚子煮(佃煮)詰め合せ(全6品)でした。なお、「銚子丸」の権利確定日は11月15日(木)、権利付き最終売買日は11月12日(月)です。間違えないように注意しましょう。
QUOカード、もしくは住宅購入/リフォーム割引をチョイス【タマホーム】
■権利月:5月/11月(年2回)
■最低投資金額:10万7900円(10/29終値:1079円×100株)
■配当金額(会社予想):45円
■予想配当利回り:4.17%
「 タマホーム 」は、「ハッピーライフ、ハッピーホーム」のTVCMソングでもおなじみの住宅会社。中間業者を挟まず、付加価値の高い住宅を適正価格で提供することを目指しています。株主優待は、QUOカードか住宅購入費用・リフォームの工事金額の割引のどちらかを選べるのが特徴です。2019年5月期は受注が好調で、6~9月までの受注額は前年同月比で100%を超えています。通期の会社予想は増収増益の見込みです。また、配当利回りが4.17%(10月29日時点)と相対的に高い点も魅力と言えるでしょう。
詳しい優待内容は、100株以上で500円分の株主限定QUOカード。または、住宅購入時の建物本体価格もしくはリフォーム時の請負価格から、100株以上で1%割引、1000株以上で2%割引、1万株以上で3%割引が受けられます。長期保有優遇制度もあり、3年以上の継続保有でQUOカードの金額が2倍、住宅購入やリフォーム工事のときの割引率も、それぞれ2倍に。QUOカードを選択する人が多いとは思いますが、タマホームで住宅購入やリフォームを考えているなら株主優待で割引を受けることも考えてみては?
いかがでしたか? 普段の食事やショッピングから住まいに使える優待まで、さまざまに揃う11月。優待投資は未体験という方も、気になる優待が見つかったらそろそろ優待デビューを検討してみては?
今回のテーマで取り上げた上場企業
アヲハタ
ヴィレッジヴァンガードコーポレーション
マルカキカイ
スター・マイカ
サーラコーポレーション
ファーマライズホールディングス
ファーストコーポレーション
銚子丸
タマホーム
また、優待の内容は代表的な事例をもとに記事を構成しております。詳しくはそれぞれの企業のHP等でご確認ください。