就職したら考えたい、お金に関する3つのこと

知らなきゃ損するシリーズ/ 日興フロッギー編集部三輪もーにんぐ

大学を卒業して社会人になると、毎月お給料がもらえるようになり、少しはお金に余裕が出てきます。入社3年目くらいになると昇給したり、ボーナスも大きな額がもらえるようになったりと、自由に使える金額が増えていくもの。しかし、浮かれてばかりもいられません。

自由に使えるお金が増えたからといってそれを全て使ってしまっては、突然まとまったお金が必要になったときに困ってしまいます。所得に応じて納めなければいけない税金だってあるので、「何も知らなかった」ではあとで後悔することになるかも……。

そこで今回は、「社会人になってしばらく経つのになかなか貯金ができない」という場合に考えたい、使い方・貯め方・増やし方の3つについてお話をしたいと思います。

  1. <就職したら考えたい、お金に関する3つのこと>
  2. 1.急な出費に備えて固定費を上げない
  3. 2.先取りシステムで確実に貯蓄・投資をしよう
  4. 3.少額でも早めに投資を始めよう

1.急な出費に備えて固定費を上げない

就職して給料をもらえるようになると、自分の好きなようにお金を使うことができるようになります。しかしここで注意したいのが、不必要に毎月の支払額(固定費)を上げない、ということです。

前年度の収入がない入社1年目は住民税の支払いがないため、少しだけお金に余裕があるもの。しかしここで油断してはいけません。なぜなら入社2年目からは、前年1月から12月の収入額に応じて住民税が課せられるため、給料が増えない限り手取り額が減ってしまうことになるのです。

そのため、1年目の給料を基準としてローンを組んだり家賃の高いところに住んだりすると、毎月支払わなければならない固定費が上がってしまい生活が苦しくなってしまいます。

ほかにも、事故や病気で突然働けなくなるリスクがあります。会社の事情でリストラにあったり、残業がまったくない部署へ異動させられる可能性だってあるのです。
家計簿アプリなどを利用して収支を常に知っておくことも大切です。

2.先取りシステムで確実に貯蓄・投資をしよう

社会人になると、「将来に備えて貯蓄をしたい」と思う人も多いのではないでしょうか? しかし実際は、毎月給料日前にお財布がすっからかん……なんて事態もありえます。

「貯金はしたいけれど苦手」「貯金しようとしたけれど上手くいかなかった」という経験がある人に、オススメしたいのが給与天引きの貯蓄システムです。

これは、給料からあらかじめ指定した金額を差し引いてしまい、自由に使ってもいい金額をコントロールできるという仕組み。先に給料から引いておいた金額はそのまま貯蓄となるので、意識しなくても勝手に貯金ができてしまえるというメリットがあります。

会社にこうした財形貯蓄の制度がある方は、ぜひ活用してください。このシステムが会社になくても大丈夫! 給料を別の2つの口座に振り込んでもらい、片方を貯蓄用の口座にしておけば自然と貯まっていきます。

さらに、社内の従業員持株会を利用すれば、自分が勤める会社の株式を毎月定額で購入することができ、結果として給料の一部を投資に回すこととなります。

一般的に株式売買をする場合は、購入できる最低単位が「単元株」と呼ばれる株式を一定数まとめた形で取引が行われます。そのため、購入する場合にまとまった資金がなければ買うことができません。ですが、従業員持株会の場合は毎月決まった額を自社株式の購入にあてる制度であるため、自分の給料の範囲内で無理なく購入していくことが可能なのです。

どちらにしてもポイントは、貯蓄分を先取りしてしまうこと。「余った分を貯金に回そう」と考えていてもなかなか貯めることはできません。貯金が苦手な人こそ、この先取りの仕組みを取り入れてみてください。

3.少額でも早めに投資を始めよう

そして最後にお伝えしたいのが、投資についてです。投資はお金が貯まってから始めるよりも、若いうちから時間を味方にして始める方がメリットが大きいです。

というのも、お金を2倍にするためにかかる期間を「72の法則」と呼ばれる簡単な式で求めることができ、投資期間が長いほど低リスクで安心な運用ができることがわかっています。72を利回り(複利)で割った年数が資金を2倍にするのに必要な期間で、2%で運用すると36年、3%では24年、6%では12年といったぐあいに、利回りが低いと長期間で、利回りが高いと短期間で資金は倍となります。

ただし利回りが高くてリスクの低い投資商品というものはほとんどありません。低リスクで元手の資金を増やすには、それなりの年数がかかってしまうと知っておくべきです。「早めに投資を始めた方がいい」と言われる根拠はここにあります。

投資に対して「大損をする恐れのあるギャンブル」あるいは「お金に余裕がある人がするもの」といったイメージを持つ人もいるでしょう。しかし、投資はリスクと時間を管理できれば将来的にお金を増やす味方になってくれるものです。

先ほどお伝えした従業員持株会や、「NISA」という年間120万円までの投資に対して配当金や譲渡益が非課税になる制度を利用すれば、少額で始めることができます。こうした制度を利用すれば税制上でもメリットが受けることができます。
少しでも早く始めておけば、将来の資産を低リスクでも着実に増やすことができ、将来的にお金に余裕のある生活を送ることができるようになります。時間が武器になる若い今だからこそ無理のない少額からでも投資を始めてみてはいかがでしょう?

まとめ

就職して毎月給料をもらえるようになると、お金のことについて考える必要が出てきます。毎月のやりくりや節約だけではなく、未来に資産を残すためにも貯金や投資の知識・経験を身につけておきたいもの。

固定費を上げないようにし、その上で給料から先取りの貯蓄をして、可能であれば少額でも投資も始めてみる。そうすることで、ウッカリ使いすぎてしまうことが回避でき、いざという時のためにきちんとお金を貯めておくことができます。

今回は、社会人として最低限考えておきたいお金の話をしました。「これまであまりお金のことを考えてこなかった……」という人も、今からでも遅くはありません。将来のことを考えて、これからのために貯蓄・投資をぜひ始めてみてくださいね!