10月はワインやおつまみ、胡蝶蘭など~生活が華やかになる優待10選

優待ライター厳選! 今月の株主優待/ 日興フロッギー編集部吉本ユータヌキ

10月の株主優待は全部で26銘柄。1年のうちでも優待実施企業の数が少ない月ですが、カレーやお菓子、ワインに生花など自社関連商品の優待ラインナップがユニーク。買い物や飲食に利用できる優待券のお得度が高いなど、見逃せない優待ぞろいです。その中から今回は、胡蝶蘭がもらえる「アートグリーン」、ナッツやお菓子の詰め合わせをたっぷり楽しめる「正栄食品工業」、1万円分のレンズ仕立券が2枚ももらえる「ビジョナリーホールディングス」など、選りすぐった10銘柄をご紹介します。

※特別に記載がない場合、権利付最終日は10月26日(金)です。

「もらって嬉しい株主優待。知っておくべき基本のキ」を読む

マロングラッセやナッツなどお菓子ギッシリ【正栄食品工業】

■銘柄名(コード):正栄食品工業(東1:8079)
■権利月:4月/10月(年2回)
■最低投資金額:38万8000円(9/27終値:3880円×100株)
■配当金額(会社予想):46円
■予想配当利回り:1.19%

世界33ヵ国から農産物や加工食品を輸入している、食品商社の「 正栄食品工業 」。農産物などを製菓・製パン材料や最終製品へと加工する、メーカーとしての顔もあります。2018年10月期は、原価率の上昇や販売費の増加、さらには北海道の地震の影響で製菓用乳製品の不足などが予想されるとして、9月11日に通期の業績予想の下方修正を発表。期初の増収増益予想を増収減益へと見直しています。ただし、今期6円の増配予定は、今のところ変更ありません。

株主優待は、100株以上で自社商品の詰め合わせです。去年までは100株保有の場合、年1回でしたが、今年からは年2回もらえるようになったのがうれしいポイント。今年4月の優待では、袋入りのミックスナッツやドライフルーツをはじめ、クッキーやフルーツケーキ、マロングラッセなどまで、たっぷり全15品がもらえました。おやつにはもちろん、お酒のおつまみとしても楽しめますね!
また、500株以上保有している場合は、500株以上で1枚、1000株以上で2枚、3000株以上で3枚、5000株以上で5枚、通販カタログに掲載された商品の50%割引券ももらえます。

今年のクリスマスは優待ワインで乾杯!【巴工業】

■銘柄名(コード):巴工業(東1:6309)
■権利月:10月
■最低投資金額:23万1000円(9/27終値:2310円×100株)
■配当金額(会社予想):45円
■予想配当利回り:1.95%

巴工業 」は遠心分離機メーカーとしてスタートし、現在は分離機の製造を手がける「機械事業」と、合成樹脂や電子材料などの輸入販売を行う「化学品事業」の2本柱で経営しています。遠心分離機のシェアは、国内ではトップクラス、世界でもトップ10圏内に入るほど。
2018年10月期の会社予想は、増収ながらわずかに減益を見込んでいますが、第3四半期は2ケタの営業増益を実現していて足元の業績は堅調です。またPBRは0.85倍と、「割安」の目安とされる1倍台を割り込んでいることでも注目できます。

株主優待は、100株以上で自社関連会社が取り扱っているワイン1本です。昨年分は、フランス・ボルドー地方の赤ワイン「サンテミリオン グラン クリュ“シャトー サンロー”2015年」(750ml)でした。例年12月下旬に届く予定になっているので、クリスマスパーティの乾杯に間に合うのも気が利いていますね。

胡蝶蘭でお部屋を華やかに【アートグリーン】

■銘柄名(コード):アートグリーン(名セ:3419)
■権利月:10月
■最低投資金額:22万5000円(9/27終値:2250円×100株)
■配当金額(会社予想):無配
■予想配当利回り:ー

アートグリーン 」は、生花流通業界のさまざまな課題解決に取り組む企業です。種苗の生産から栽培、販売、配送まで手がける、胡蝶蘭の一貫体制システムに強みがあり、花びらに文字やイラストを描いた付加価値の高いユニークな胡蝶蘭「化粧蘭」なども開発しています。
2015年12月に、名古屋証券取引所セントレックス市場に上場。2018年10月期の会社予想は残念ながら2ケタの減益見込みですが、一貫体制システムという強みを活かしさらなる事業の拡大を目指しているところです。

株主優待は昨年から新設。100株以上の保有で、4500円相当のミディ胡蝶蘭がもらえます。贈答品としてポピュラーな胡蝶蘭の花言葉は「幸せが飛んでくる」。ミディ胡蝶蘭なのでサイズこそ小ぶりですが、色はピンクでお部屋に飾ればグッと華やかになること間違いなし! 生花がもらえる株主優待銘柄は少ないので、気になる人はぜひチェックしてみてください。

「業務スーパー」がもっとお得に!【神戸物産】

■銘柄名(コード):神戸物産(東1:3038)
■権利月:10月
■最低投資金額:61万2000円(9/27終値:6120円×100株)
■配当金額(会社予想):60円
■予想配当利回り:0.98%

「プロの品質とプロの価格」をキャッチフレーズに、一般客も利用可能な食料品スーパー「業務スーパー」を全国で807店舗(8月末時点)展開する「 神戸物産 」。原材料づくりから関わったこだわりの自社商品や世界各国の協力工場から直輸入した商品など、ユニークな品揃えには定評があります。
2018年1月、会社側は2020年10月期までの毎期において売上高と営業利益、最終利益については過去最高を見込み、2017年1月に策定した中期経営計画を上方修正しました。また、「2020年10月期の配当性向を20%まで高める」ことを目標に掲げ、段階的に配当性向を上げる中で、今期は10円の増配を予定しています。

株主優待でもらえるのは、全国の「業務スーパー」で使える商品券を100株以上で3000円分、500株以上で1万円分、1000株以上で1万5000円分。低価格のPB商品が多いので、3000円分でもたっぷりお買い物ができます!
また、商品券を返送することで自社グループ商品の詰め合わせを受け取ることもできます。500株以上の場合は、賞味期限内に食べられるように商品を分割して発送してくれるという気配りもありがたいですね。

椿屋珈琲店などで使える食事券【東和フードサービス】

■銘柄名(コード):東和フードサービス(東JQ:3329)
■権利月:4月/10月(年2回)
■最低投資金額:18万6400円(9/27終値:1864円×100株)
■配当金額(会社予想):12円
■予想配当利回り:0.64%

10月の定番優待銘柄として知られる「 東和フードサービス 」。「椿屋珈琲店グループ」「ダッキーダック」「イタリアンダイニングDoNa」「ぱすたかん・こてがえし」の4業態の飲食店を運営していて、株主優待はこれらの店舗で利用できる優待食事券です。
将来的に地方人口の減少化が進むという想定のもと出店を1都3県に絞っていて、8月末現在の店舗数は1都3県で全118店。「椿屋珈琲店」の路面店出店もすでに決定済みです。2019年4月期の第1四半期は新規顧客の取り込みが順調に進んでいて、通期の会社予想は増収増益を見込んでいます。

詳しい優待内容は、保有株数に応じた500円分の優待食事券です。100株以上で3枚(4月)・2枚(10月)、200株以上で4枚(4月)・3枚(10月)、400株以上で7枚(4月・10月)、800株以上で14枚(4月・10月)、2400株以上で24枚(4月・10月)、そして4000株以上は一律36枚(4月・10月)となっています。
出店範囲が限られていますが、優待食事券の代わりに自社製品詰め合わせも選べるので近くに店舗がなくても大丈夫。ちなみに、前回4月の100株保有時の自社製品は「椿屋珈琲ドリップパック」でした。

ホテル仕様のカレーをご自宅で【日本ハウスホールディングス】

■銘柄名(コード):日本ハウスホールディングス(東1:1873)
■権利月:10月
■最低投資金額(注):63万5000円(9/27終値:635円×1000株)
■配当金額(会社予想):25円
■予想配当利回り:3.94%

檜を使った地震に強い「檜百年住宅」やエネルギーを自給自足できる「ZEH」仕様の高性能住宅など、こだわりのある木造注文住宅を作り続けている「 日本ハウスホールディングス 」。住宅事業が中核ですが、首都圏を中心としたホテル事業の強化も進めています。
足元の業績は減収減益ですがで、2018年10月期の会社予想は増収増益です。また、創業50周年を記念して、今期は普通配当20円に加えて、記念配当5円を予定しています。配当利回りが3.94%と相対的に高く、株主優待だけでなく配当も大きな魅力となっています。

株主優待の内容は今期からガラッと変更していて、1000株以上で子会社の「日本ハウスホテル&リゾート」が販売するカレーギフトがもらえます。具体的には、「ホテル東日本宇都宮特製ビーフカレー」「ホテル森の風那須特製チキンカレー」「ホテル森の風立山特製ブラックカレー」「 ホテル東日本宇都宮特製ブイヨンスープ」の4種類。ホテル仕様のカレーを自宅の食卓で手軽に味わえます。

(注)1単元は100株ですが、株主優待を取得するには10単元(=1000株)が必要です。株数を間違えないように、購入前にはよく確認してください。

メガネを格安で新調しちゃおう【ビジョナリーホールディングス】

■銘柄名(コード):ビジョナリーホールディングス(東JQ:9263)
■権利月:4月/10月(年2回)
■最低投資金額:9800円(9/27終値:98円×100株)
■配当金額(会社予想):無配
■予想配当利回り:ー

ビジョナリーホールディングス 」という社名には、あまり馴染みがない人もいるかもしれません。実は、昨年11月に設立された「メガネスーパー」や「メガネハウス」など7社を傘下に抱える純粋持株会社です。中核企業は大手メガネ小売りチェーンの「メガネスーパー」で、グループ全体では全国に390店舗を展開(8月末時点)。
5~8月までの既存店売上高は前年同月比で100%を上回って推移していて、足元の売り上げは好調です。また、2022年4月期を最終年度とする中期経営計画を実行中で、すでに11店舗で「次世代型店舗」へ移行完了し、顧客数と客単価の向上に効果が表れています。

株主優待は、自社グループ店舗で使える30%割引(公式通販サイトでの利用は20%割引)の株主特別優待券を100株以上で1枚、300株以上で2枚。ほかに、100株以上で税抜1万円分のメガネレンズ仕立券が2枚もらえます。
メガネレンズ仕立券は、1回に1枚のみ利用できますが、3万円超のレンズの場合は2枚まとめて利用可能です。最低投資金額の9900円から考えると、30%の割引券+2万円分のメガネレンズ仕立券というのは、非常に割のよい株主優待と言えるでしょう。メガネをそろそろ買い替えたい、初めて作りたいという人は、優待活用を考えてみては?

「東京ヴェルディ」サポーター必見!【グッドコムアセット】

■銘柄名(コード):グッドコムアセット(東1:3475)
■権利月:4月/10月(年2回)
■最低投資金額:18万5600円(9/27終値:1856円×100株)
■配当金額(会社予想):35円
■予想配当利回り:1.89%

東京23区内を中心に、マンションの企画・開発・分譲を手がける「 グッドコムアセット 」。自社のマンションブランド「GENOVIA」シリーズの販売に注力中です。2018年10月期は、個人投資家向け・業者向け共にマンション販売が好調で、会社予想は2ケタの増収増益。また、配当については、東証1部指定記念の「記念配当」もあり、今期は35円(うち10円は記念配当分)の増配を予定しています。

昨年から導入された株主優待は、100株以上で2000円分のQUOカードです。当初は10月だけの実施でしたが、その後、4月と10月の年2回実施となり、株主還元に力を入れていることがわかります。
過去2回については、スポンサー契約を結んでいるJリーグ「東京ヴェルディ」のロゴやチーム写真を掲載したオリジナルデザインのQUOカードがもらえました。「東京ヴェルディ」のサポーターにとっては、特に見逃せない株主優待と言えるかもしれません。

辛さ調節なカレーと老人ホーム割引券【ロングライフホールディング】

■銘柄名(コード):ロングライフホールディング(東JQ:4355)
■権利月:10月
■最低投資金額:5万8700円(9/27終値:587円×100株)
■配当金額(会社予想):8円
■予想配当利回り:1.36%

富裕層向けの有料老人ホーム運営が主力事業の「 ロングライフホールディング 」。現在は、関西で18ヵ所、首都圏では4ヵ所の介護付き有料老人ホームと、大阪・兵庫で3ヵ所のグループホームを運営していて、和風旅館風やインドネシアのバリをイメージしたものなどホームごとにさまざまな工夫をこらしているのが特徴です。

株主優待は、割引優待券と子会社のレトルトカレー詰め合わせの2本立て。老人ホームの入居者数の好調な推移と在宅介護事業の顧客増加などにより、2018年10月期の会社予想は増収増益を見込んでいます。詳しい優待内容は、100株以上で自社グループの有料老人ホームとグループホームの一時入居金または入園金に使える10万円分の割引優待券1枚と、「ロングライフダイニング」が販売する「ロングライフカレー」4個の詰め合わせです。
割引優待券は株主本人と2親等以内の親族のみが利用可能なため、使える人は限られるかもしれません。しかし、投資金額が5万円台と比較的低いことから、カレー目当てでも十分楽しめる優待と言えるでしょう。ちなみに、「ロングライフカレー」は優しい味わいのカレーですが、付属のガラムマサラパウダーで自由に辛さを調節できます。

ホテルライフをお得に楽しめる【日本ビューホテル】

■銘柄名(コード):日本ビューホテル(東1:6097)
■権利月:4月/10月(年2回)
■最低投資金額:14万1700円(9/27終値:1417円×100株)
■配当金額(会社予想):22円
■予想配当利回り:1.55%

「浅草ビューホテル」や「成田ビューホテル」など、「ビューホテル」ブランドのホテルを国内7カ所で展開している「 日本ビューホテル 」。ほかに、「ぎょうけい館」「ホテルグリーンパール那須」などの宿泊施設や遊園地「那須りんどう湖 LAKE VIEW」も運営しています。株主優待は、運営する施設で利用できる優待券。訪日外国人旅行者の増加によるホテル需要の増加が続く中、2019年4月期の会社予想は増収増益となっています。

詳しい優待内容は、1枚1000円分の優待券を100株以上で2枚、300株以上で3枚、500株以上で5枚もらえます。優待券は、自社で直営するホテルや施設のレストランで、宿泊や宴会、婚礼、飲食などに利用が可能です。
もらえる総額は変わりませんが、今回から優待券の額面と有効期限を変更。優待券1枚の額面がこれまでの500円分⇒1000円分に、また有効期限は6ヵ月⇒約1年と倍になっています。さらに、有効期限が重なる期間については、4月と10月の2回分の優待券をまとめて利用してもOK! これまでより使いやすくなったのはうれしいポイントです。

いかがでしたか? 数こそ少ないですが、自社関連商品も優待券も魅力的なものが多い10月。欲しい優待が見つかったら、優待投資未体験の方もこの機会に優待投資デビューを検討してみてくださいね。

今回のテーマで取り上げた上場企業

正栄食品工業
巴工業
アートグリーン
神戸物産
東和フードサービス
日本ハウスホールディングス
ビジョナリーホールディングス
グッドコムアセット
ロングライフホールディング
日本ビューホテル

本サイトは、原則として原稿作成時点における情報に基づいて作成しております。また、記載された価格、数値等は、過去の実績値、概算値あるいは将来の予測値であり、実際とは異なる場合があります。なお、配当、配当利回りについては税引き前の数値であり、最低投資金額は手数料等を考慮していません。投資に関する最終決定はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。
優待の内容は2018年9月27日現在の情報を記載しております。本コンテンツ作成後に変更されている場合がありますので、最新の情報については、皆様ご自身でのご確認をお願いいたします。
また、優待の内容は代表的な事例をもとに記事を構成しております。詳しくはそれぞれの企業のHP等でご確認ください。