第4回 需要が急拡大! 社会の変化を追い風にする企業たち

ここが狙い目! 日興ストラテジー・セレクション/ 日興フロッギー編集部岡田 丈

SMBC日興証券が企業業績や相場の状況などから、いま注目の銘柄を選定した「日興ストラテジー・セレクション」。第4回目は、ライフスタイルや社会構造の変化を追い風にしている企業です。

意外と知らないみんなの食卓を支える会社や、ストレス社会には欠かせない医療器具メーカーなど、時代の変化を的確にとらえて業績を伸ばしている企業をご紹介します!
第3回「人手不足で業績アップ!? みんなの『困った』をサポートする企業」を読む

9期連続で営業増益! 物流の変化を追い風にする【セイノーHD】

Amazonや楽天などネット通販はとても便利で、ついついポチッと注文してしまいますよね。しかし、その影響で荷物を運ぶトラックや運転手が不足するなど物流業界全体に影響が出てきています。そんな環境で2018年3月期まで9期連続の営業増益を達成した企業が「 セイノーホールディングス 」です。

同社は色々な荷主の荷物をまとめて運送する「特積み」といわれるトラック事業者の最大手企業です。最近ではBtoB(事業者間)物流の効率化を目指しており、2018年3月から愛知県と静岡県の間で1台で2台分の荷物を運べるダブル連結トラックの実証実験を開始しました。これが実現すれば、運転手不足と荷物の増加という問題の解決につながる可能性もあり、期待が高まります。

トラックによる運搬のニーズが高まり続けている物流業界。需要に応じて運賃も値上げできており、収益アップのチャンスがさらに広がりそうです。

魔法の味覚センサーを開発!? どんな味も再現する会社【アリアケジャパン】

ハンバーグやポテトサラダなどのお惣菜。仕事帰りのコンビニでついつい買ってしまいますよね。こうした持ち帰ってすぐに食べられる食品のことを「中食」と言いますが、最近共働きの家庭が増えていることなどから、「中食」のニーズが高まっています。

そんな中、コンビニや即席めんメーカー向けに「中食」の業務用調味料を提供しているのが「 アリアケジャパン 」です。同社は味の五大要素である旨み、甘み、苦み、酸味、塩味を正確に再現・分析する味覚センサーと呼ばれる機械を開発しました。これにより、たとえば高級店の複雑な味のスープなども低コストで再現できるようになった上、大量供給することに成功。日本だけでなく、欧米やアジアなどでもシェアを伸ばしつつあります。

私たちの身近な「食」を支えるアリアケジャパン。天然調味料のリーディングカンパニーとして世界の食卓を支える企業になる可能性があります。

心疾患治療でシェア8割の医療機器メーカー【日本ライフライン】

日本の3大死因の1つと言われ、高齢化やストレスが原因で173万人(平成26年厚生労働省調べ)もの方が患っているとされる心疾患。そんな心疾患の治療で使われる医療機器において、トップシェアを握るのが「 日本ライフライン 」です。

同社の得意分野は、心疾患治療の中でも心臓内部の不整脈の治療で使われる「EP/アブレーション」という医療機器です。アブレーション治療(病組織を焼いて破壊する外科的治療)では、国内で約8割のシェアを占めており、ライバルの新規参入が難しい点なども事業の追い風となっています。

2022年度にはアブレーション治療の件数が倍増(6.3万件⇒12万件以上)すると同社は予想しています。まだまだ成長余地が大きいと言えます。

M&A実績No.1! 中小企業オーナーの悩みを解決する会社【日本M&Aセンター】

全事業者の99.7%を占める中小企業でいま問題となっているのが「後継者問題」です。2025年ごろまでには、平均引退年齢の70歳を超える経営者が約245万人にも上るとみられており、その半数で後継者が未定の状態とのこと。そんな全国の経営者の悩みを解決しようとしているのが「 日本M&Aセンター 」です。

同社は企業のM&A、つまり合併や買収を仲介する専門コンサルタントの拡大に注力しており、その人員拡大に伴ってM&A成約件数も増加基調にあります。中堅・中小企業向けM&A成約実績は国内トップで、地方銀行の約9割、信用金庫の約8割と提携し、情報ネットワークを全国に築いているのが強みとなっています。

2018年3月期の営業利益が116億円と過去最高益を更新しました。全国の中小企業オーナーの悩みを解決する日本M&Aセンター。海外展開の余地も大きく、まだまだ成長が期待できます。

羽田空港にホテルも! 東京の再開発を手掛ける企業【住友不動産】

2020年の東京五輪開催に向け、首都圏では再開発が活発化しています。その中でも「東京日本橋タワー」や港区の「住友不動産御成門タワー」などを手掛けているのが「 住友不動産 」です。

2012年末から始まったアベノミクス以降、都心のオフィス市況が活況となる中、同社は業界大手のなかで最も早く最高益を更新するなど業績が好調です。また、今後についても羽田空港の国際線ターミナルに直結する1700室もの大規模ホテルを計画中(2020年6月開業予定)とのことで、さらなる収益機会の拡大も期待されます。

いま活況なオフィスビルだけでなく、インバウンド拡大を見据えてホテルなども展開する住友不動産。これからも都市型不動産開発のリーダーとして活躍が続きそうです。

日興ストラテジー・セレクションを月1回チェック!

これまで4回にわたって紹介してきました「日興ストラテジー・セレクション」。どの企業もいままさに成長が期待される企業ばかりです。これから毎月更新する予定ですので、気になる銘柄が出てきたら株価と業績をチェックして、投資の候補にしてみましょう!

今回のテーマで取り上げた上場企業

セイノーホールディングス
アリアケジャパン
日本ライフライン
日本M&Aセンター
住友不動産

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