第3回  人手不足で業績アップ!? みんなの「困った」をサポートする企業

ここが狙い目! 日興ストラテジー・セレクション/ 日興フロッギー編集部岡田 丈

インターネット上で欲しいものを見つけて、ワンクリックすれば次の日には商品が届く……なんて便利な生活に慣れてしまった人も多いのでは? そんな風に荷物を届けてくれる配送業者ですが、深刻な人手不足から各社相次いで配送料の値上げを発表しました。ところでこの人手不足な状況、実は配送業者に限った話ではありません。

厚生労働省が発表した平成30年6月の有効求人倍率は1.62倍でした。これは、仕事を探す人よりも企業からの求人が多いという状況で、44年ぶりの高水準になります。そしてこの問題は、日本だけでなく世界規模で起こりつつあります。

そこで今回は、日興ストラテジー・セレクションの中から、人手不足を追い風に変える注目の企業をご紹介します。
第2回「世界シェアNo.1がこんなに! 世界を支える日本の製造業」を読む

掲載企業数No.1サイトを運営する【リクルートHD】

就職活動を行う学生ならまず登録している就職情報サイト。就職したい企業探しや説明会への応募などができます。数あるポータルサイトの中でも掲載企業数が最も多いのが、「 リクルートホールディングス 」が運営している「リクナビ」です。

他にも、転職を支援する「リクナビNEXT」や「リクルートエージェント」など、人材を必要とする企業と働きたい人をつなぐサービスを多数展開しています。スマートフォンで簡単に情報検索できるアプリもリリースしており、インターネットを利用した就職活動に欠かせない存在です。

「リクナビ」が2018年6月にオープンした2020年卒向けのサイトでは、昨年に比べ約2000社も多い1万社超のインターンシップ開催企業が掲載されたとのこと。インターンシップを活用して、いち早く人材を確保したい企業のニーズが増えていることがうかがえます。人手不足の中、大本命とも言える人材サービス業。これからどんなサービスが展開されていくのか、楽しみですね。

世界の生産年齢人口は減少傾向。人材確保はどの企業にとっても共通課題であり、ニーズは大きくなっています。

満足度第1位の福利厚生サービスなら【リログループ】

就職する会社を選ぶとき、業務内容や会社の理念、給与だけでなく、福利厚生についてもしっかりチェックする人は多いのではないでしょうか? ひと口に福利厚生といっても、寮や社宅の有無、社員食堂のサービス、転勤時のサポート体制などさまざまです。

よりよい人材を集めるため、福利厚生に力を入れたい企業は多いものの、そのための事務作業量は企業として大きな負担。そんな福利厚生メニューや寮・社宅の管理、転勤に伴う手続きなどを請け負ってくれるのが「 リログループ 」です。グループ傘下59社という大きなネットワークにより、日本全国で幅広い福利厚生業務の代行をお願いすることができます。人手不足に悩む企業にとっては、本業と関係ない部分を外注できればありがたいですよね。

2017年には「オリコン日本顧客満足度ランキング」で福利厚生サービス部門の第1位に選ばれるなど、そのサービスの質の高さがうかがえます。働き手を確保するためには欠かせない福利厚生。人手不足が続く限り、リログループの成長はまだまだ期待できそうです。

2018年3月期に売上高は18年連続で増収となり、1株あたり配当金も15年連続で増配中。連続増配企業としても有望な企業の1つです。

工場の「自動化」を支える、世界トップシェア企業【SMC】

人手が不足すると、企業がまず考えるのが「自動化・省力化」です。特に工場など、人手が生産の要となっている場合は自動化(FA=Factory Automation)が急務。そんな工場の自動化に欠かせない機器の製造販売を行っているのが「 SMC 」です。

機器の自動化で使われる生産ラインや産業用ロボットなどには、空気圧制御技術が用いられており、空気の流れを制御するバルブや、空気の力で動くエアシリンダーなどが欠かせません。SMCは、こうした空気圧機器の世界トップシェアを誇る企業です。

業績も好調が続いています。2018年3月期まで5期連続で増収となっているほか、拠点別の売上高においても、国内・北米・欧州・アジアすべての拠点で前年比2ケタ増という好調ぶり。アジア地区で設備投資を行い、生産体制を増強するなど、まだまだこれからの成長に期待できそうです。

2017年度に世界シェアは36%と、前年度の35%から上昇。中国において半導体国産化のトレンドが本格化すれば、同社シェアはさらに高まる可能性もあります。

営業利益率は50%超! センサーで世界の製造業を支える【キーエンス】

あなたが乗っている自動車も、毎日使う家電も、常に持ち歩いているスマホも、すべてどこかの工場で作られています。そして、工場の生産を自動化するために欠かせないセンサーや制御機器を販売しているのが「 キーエンス 」です。

キーエンスは自社で工場を持たない「ファブレス」というスタイルであるものの、日本全国のみならず世界中に拠点を持って各地のものづくりの現場に製品を提供。自動生産設備に欠かせない部品で幅広くものづくりを支える企業です。

2018年3月期の連結売上は前年同期間比で約1.3倍と順調。特に売上高営業利益率は、製造業全体の平均が4.8%(2016年度、経済産業省調べ)なのに対し、キーエンスはなんと55.6%(2018年3月期)と非常に高い水準となっています。工場自動化が進むこれからの時代、躍進すると思われるキーエンスから目が離せません。

2018年4-6月期では、海外売上高比率は56%で過去最高。「海外での販売比率を高めたい」という社長の想いを着実に実現しつつあります。

成長するのは時代の変化をくみ取る企業

人手不足が深刻化すると見られるこれからの社会。さまざまな企業が、人手の確保や仕事の自動化に注力することは間違いないでしょう。そんな時代の変化を汲み取ることができる企業が、これからも伸び続けていくのではないでしょうか。今回ご紹介した4つの企業も、今の時代に即した商品開発・サービス提供をしていますので、ぜひチェックしてみてくださいね!

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