個人型確定拠出年金でつくる「じぶん年金」

知らなきゃ損するシリーズ/ 日興フロッギー編集部

現役世代は、将来もらえる公的年金だけでは、老後資金が足りなくなりそうです。そのために、将来の生活費を今から蓄えておく「じぶん年金」を作りましょう。じぶん年金を作るには、税制優遇が大きく、節税効果が高い個人型確定拠出年金がおすすめです。

確定拠出年金とは?

確定拠出年金とは、公的年金に上乗せして給付を受ける私的年金の制度のことです。基礎年金、厚生年金保険と組み合わせることで老後の備えとなります。アメリカの個人年金制度401kにならってつくられたので「日本版401k」と呼ばれたり、英語名を略して「DC(Defined Contribution)」とも呼ばれます

公的年金のようにあらかじめ決まった金額を受け取れる年金を「確定給付年金」といいますが、「確定拠出年金」は、その逆です。「拠出」つまり月々に積み立てる金額が確定している一方で、老後に受け取る「給付」は運用成績に応じて変動します。個人個人が、自分の責任で自分の分の年金を積み立てて、運用していくのでそれぞれに結果が変わってくるわけです。

好きな金融商品を自分で選んで、それに応じて成果が変わる。そう聞くと「怖い」と思う人もいるかもしれませんが、確定拠出年金には税制優遇など大きなメリットがいくつもあるので、老後のための資産形成を考えている人は検討してみるべき制度と言えるでしょう。

そして、確定拠出年金には、企業などの事業主が実施する「企業型」と、個人で加入する「個人型」があります。個人型は、これまでは自営業者などの条件を満たした人しか使えなかったのですが、2017年1月から20歳から60歳未満のすべてのひとが基本的に個人型に加入できるようになりました。ですから、ここでは個人型の確定拠出年金について解説していきます。

税制優遇を受けながら積み立てできる!

以下に、個人型確定拠出年金のメリットをまとめました。
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確定拠出年金は、積み立てるお金の全額が所得控除になります。つまり、節税しつつ積み立てができるのです。そして運用益も非課税ですし、受け取る時にも税制メリットがあります。また、個人型の確定拠出年金は、特定の組織ではなく個人に紐づくので、転職してもそのまま続けられるのも大きなメリットです

ただし、引き出しは60歳以降に

ただし、注意点もいくつかあります。まず、年金のための制度なので、原則として60歳までは引き出すことができません。また、積み立て対象に投資商品を選択した場合は、運用が失敗するリスクもあります。投資信託を選べば、信託報酬などの管理コストもかかります。

最後に、個人型確定拠出年金のはじめかたについてですが、自分で証券会社等に加入の手続きをする必要があります。現在、多くの金融機関で個人型DCを扱っていますが、金融機関を選ぶポイントとして大切なのが、取り扱っている金融商品の品ぞろえです。「じぶん年金」を作るには、少額を積み立てながら分散効果が期待できる投資信託が向いています。世界中の成長を低コストで享受できる投信を扱っている金融機関かどうかを確認しましょう。

同時に、投資したい金融商品と合わせて意識したいのが管理コストです。60歳までの長期運用となるので、毎月発生する口座管理費用や信託報酬などの費用が低く抑えられる金融機関を選ぶのが鉄則となります。