みなさんは、大切な人とまじめにお金の話をしていますか?
「今日のデート代、払ってくれるかな?」
「え、割り勘?」
「うわー、7:3で多めに出すことで体裁保ってきたよ……」
「おいおい、おごられ待ちかよ。財布くらい出せよ」
「またブランドのカバン買わされるわー」
このような感情を、だいたいの男女が味わっているはず。
男と女は、ロマンチックなことだけではありません。
しかし! だからと言って、お金の話は決して男女のタブー話ではないのです。
大切な人と、もっとまじめにお金の話してみませんか?
実はお金ってけっこうロマンチックなのかも!?
チーフ
ねえ、一生ここ(ご自宅)にたどり着かないかと思ったんだけど。
浩二さん
いや~遠方まですみません。ここ住宅地なんで道が入り組んでいて。タクシーの運転手さんも迷うくらいなんです。
美紀さん
しかも今日、すんごい土砂降りでしたね、タオルどうぞ~!
チーフ
まあまあ、すみませんね、お気遣いいただいて。
じゃ、体ビショビショだけど早速はじめちゃおっか。先に旦那さんいっちゃうよ~。
ということで3組目のゲストはこの方!
今日のゲスト
田辺浩二さん(30歳/仮名)、つとむくん(1歳/仮名)
建築事務所に勤める建築士。学生時代の同級生である奥様と結婚してから約2年。1歳になる息子のつとむくんに溺愛の新米パパ。
子どものお小遣い。頻度と金額はどのくらい?
チーフ
てかさ、その子めっちゃ可愛いね。しかも大人しくてお利口さんだこと。
浩二さん
つとむくーん、よかったね~、褒められちゃったね~!! 可愛いですね~!!!
つとむくん
…………。
チーフ
出た、こりゃ親バカだわ。
1歳くらいかな? あのね、親の先輩として言っておく。可愛いのは今だけだよ。私今日さ、9歳の息子に、「お母さん日曜日なのにいないけど、ごめんね? 寂しい?」って聞いたらなんて言ったと思う?
先生
チーフ
さっすが先生、大正解。
浩二さん
え、そんなことより、すみません。話の腰を折って申し訳ないんですが……その……なんていうか緑のそれは……。
チーフ
お金のことなら何でもおまかせ、みんなのカエル先生だよ。
悪いんだけどさ、もうこの連載も結構やってるから、このくだりはサクっといかせてもらうよ。
浩二さん
は、はあ……。
チーフ
話戻すけど、カエル先生。子供のお小遣いって、年齢別で平均とかあるんですか? ウチの息子は、友達と1日遊びに行くときは150円くらい飲み物代あげるくらいかなあ。
浩二さん
あ、それ僕も将来のために知りたいです。か、か、か、カエル先生……。
先生
「知るぽると」(金融広報中央委員会)が行った『子どものくらしとお金に関する調査(第3回)2015年度』のデータが参考になりそうです。小学生については全体的に “時々”と“月1回”が多いのですが、高学年になるほど“月1回”の割合が高くなります。
チーフ
じゃあウチの場合は“時々”のほうだ。
先生
小学生の月1回のケースや、中学生・高校生の月額のお小遣いの中央値を整理すると、小学校低・中学年が500円(最頻値も同じ)、高学年が1000円(最頻値は500円)、中学生は2000円(最頻値は1000円)、高校生は5000円(最頻値も同じ)となっています。
子供の様子を見ながら、頻度を減らし、金額をまとめて渡す方向にステップアップしていくと、やりくりのトレーニングになるかもしれませんね。
浩二さん
なるほど。ウチはまだ先ですけど、お小遣いでやりくりのトレーニングになるっていうのは良いこと聞きました!
家計のサイフは旦那さん持ち。その理由は?
チーフ
ところで浩二さん、お仕事は?
浩二さん
僕は建築士でして。都内の建築事務所で働いています。
チーフ
おおおー! 建築士なのか!! かっこいいわー。
で、お金はお小遣い制?
浩二さん
いや、それが、管理は全部僕がしてるんです。
妻には毎月生活費として4万円、妻のおこづかいとして2万円を渡しています。
チーフ
へーー!!! めずらしい! それはなんでなの?
浩二さん
今は妻が育休で働いていないので、基本的に入ってくるお金のルートは1つじゃないですか。それに、ご存知のとおりここは結構僻地なんで(笑)、銀行に行くにも都内のほうが行きやすいんですよね。
チーフ
うん、ごめん、僻地は否定しない(笑)。
タクシーの運転手さんに、3回舌打ちされてたどり着く立地。
浩二さん
子供もまだ小さいので、妻は外出するにも大変ですし。というわけで、僕がお金の管理をしています。
チーフ
へー、しっかりしてんなー。
なんか浩二さんと話していると、学校の先生と話してる気分になる。
先生
チーフ
先生に「先生みたい」って言われてる。
30歳でそんなしっかりされると、中年の立場が狭くなるじゃん。なんちゃらフェスとか行って、「うぇぇぇい」ってしてきてよ~。お願いだから、そうやってシャツのボタン上までとめないでよ~。
浩二さん
(笑)
自分自身のお小遣いは月2万円ポッキリ。
チーフ
ところで、奥さんは今専業主婦なんだよね? 旦那さんの収入が全てになってくるワケだけど、そこに不満はないの?
浩二さん
もちろん、不満なんてないですよ。とくに子供が小さいうちは、家にいてもらいたいなと思いますね。妻自身もそんなにバリバリ働くタイプではないので。
先生
確かに子供が小さいうちや、「生活費4万円」と予算管理をきちんとしようとすると、時間や労力を必要としますよね。フルタイムのお仕事との両立は、なかなか大変です。
とはいえ、家族の中で1人しか働いていないと、万一、浩二さんがケガや病気をしたときに貯蓄を切り崩すペースが早くなります。
浩二さん
たしかにそうですね……。
先生
子育てなどが落ち着いて美紀さんも収入を得られれば、いざというときに貯蓄を切り崩すペースを遅くすることもできますよね。お金はたくさんあることも大切ですが、“底をつくまでの期間を引き延ばす”という観点も大切です。猶予期間が長ければ、しっかり体調を整えて挽回もしやすいですからね。
浩二さん
そうですよね。もしものことがあったときを考えて、結婚を機に僕名義で生命保険に入りました。あとは結婚してから相当、お金の使い方にも気を遣うようになりましたね。まず、飲み会に行かなくなりました。
チーフ
そんな飲んでたの? 私と一緒じゃん。酒飲んだらクズになるとか、そういうのちょうだい。
浩二さん
まあ、若いころは粗相も多少ありましたけど(笑)。今は、可愛い息子と妻が毎日家で待ってくれていますから。
美紀さん
(遠くから)きゃー、浩二くんやっさしい!
浩二さん
あとはお金の使い方で変わったといえばランチ代ですかね。妻が毎日、美味しいお弁当を作ってくれるので、それはすごく助かってます。
チーフ
おい、のろけかよ。
ねえ、「妻が毎日、美味しいお弁当作ってくれてます」ってワード、まじで女を敵に回す発言だから覚悟しなよ?
浩二さん
え、そうなんですか(笑)?
でも僕、自分で言うのもあれなんですが、結構自分に厳しいタイプなんですよ。自分で家計を管理してるからって、お金を自由に使えるって思わないタイプ。だから、自分の基本的なお小遣いは月2万円なんです。
チーフ
くそぅ。この年下の建築士、私より稼いでいるのにめちゃくちゃ堅実。私は今日だけで、キミの1ヵ月のお小遣いの、半分くらい使ってるぞ!!!!
夢のマイホームを購入。ローンはどう組む?
浩二さん
あ、そういえばこの家、賃貸なんですよ。
チーフ
あのさ、ものすっごく淡々と話題変えるよね。わかった、じゃあ聞いてあげよう。
マイホーム願望はありますか?
浩二さん
はい! 実はもう、マイホーム購入したんです!!
チーフ
なんだ、それ言いたかったのか……。で、いつ買ったの?
浩二さん
チーフ
それは確かに、言いたくなる!!!!!
どんな隠し玉持ってんのよ。で、どんな家? 新築? 中古? 戸建て? それともマンション? 頭金は? ローンはどうやって組んだワケ?
浩二さん
あのぅ、もう早く帰りたいからって、まとめて聞こうとしてますよね……? まあいいです。郊外なんですが、綺麗な中古の一戸建てを見つけまして。建築士なので職業柄、間取りにはこだわりました! 頭金は300万円。変動金利で。
カエル先生、固定で借りる人はいるのでしょうか?
先生
おまたせしました。私の出番ですね。
チーフ
よっ、先生!
先生
国土交通省の調査結果(平成29年度民間住宅ローンの実態に関する調査)によると、平成28年度の新規貸出における金利タイプの割合は、
・変動金利型が50.2%
・○年固定などの固定金利期間選択型が25.7%
・全期間固定金利型とフラット35に代表される証券化ローンの合計が24.1%
となっています。
確かに変動金利のほうが人気ですね。固定金利期間選択型は中間型といった立ち位置ですが、安心材料として、一定期間でも金利を固定したいというニーズはあるようです。
浩二さん
そうなんだ!
先生
固定金利の場合は、返済額を把握できるのでライフプランを立てやすいというメリットがありますね。ですが一般的には変動金利より利率が高くなります。一方、変動金利で借りている人は、もしも金利が上昇した場合、当初想定していたペースより返済が進まない……なんて事態も起こり得ます。
金融機関による金利水準の見直しは、毎月行われていますので、半年に1度程度は、金利の動向をリサーチするのが良いですね。
浩二さん
なるほど。定期的に見直しが必要ってことですね。そういうことは僕が責任をもってキチンと調べたいですね。
美紀さん
(遠くから)浩二くんって、そういうの全部、ホントちゃんとしてるんですよぉ~!
チーフ
キッチンにいる奥さんさぁ……私、このインタビュー中3回くらい、「旦那さんの話聞いたらちゃんと奥さんの話も聞くからね」ってやんわり注意したよね?
すごいキャラの予感。
みんな、次回に期待してね!
1 子どものお小遣い(中央値)は、小学校低・中学年が500円、高学年が1000円、中学生は2000円、高校生は5000円。
2 家計において、お金はたくさんあることも大切だが、底をつくまでの期間を引き延ばすという観点も忘れないようにしよう。
3 変動金利のローンがある場合は、半年に1度程度は金利の動向をリサーチしよう。