そもそも株主優待ってナニ?
株主優待は、企業から株主に届く「お中元」や「お歳暮」のようなもの。頻度は企業ごとに異なりますが、だいたい半年か1年に一度くらいもらえます。堅い言い方をすると、「株主還元策」の一環で行われています。
企業が株主優待を行う理由は、「優待を通じて自社の商品やサービスを知ってほしい」「もっと個人株主を増やしたい」など、さまざま。すべての企業に株主優待があるわけではありませんが、その数は年を追うごとに増えていて、今では1400銘柄以上で株主優待を実施しています。
もらえるものとしては、食品や日用品を扱うメーカーの場合は「自社商品の詰め合わせ」。外食産業や小売業、サービス業なら「自社運営店舗で使える優待券」が一般的です。ほかにも、その企業にゆかりのある地域の特産品や、QUOカードなど多くの店で使える汎用性の高い金券類を優待品にしている企業もあります。また最近では、欲しいものを選べるカタログギフトタイプの優待を採用する企業も増えています。
優待をもらうためにおさえる3つの鉄則
魅力的な株主優待ですが、もらうためにはおさえておくべき3つの鉄則があります。
鉄則2・株数をチェック!
鉄則3・持ってるべき期間を確認!
1つずつ見ていきましょう。
鉄則1は、「締切日を守る!」。ここで言う「締切日」とは、「この日までに株を買っておかなければならない日」のこと。株主優待をもらうためには、株主名簿に名前が載らなければなりません。その名簿に名前を載せられる最後の日が「権利付取引最終日」と呼ばれる日です。この権利付取引最終日までに株を買っておかなくてはいけないのです。
多くの企業では、本決算のある月の月末を「権利確定日」と決めています。権利確定日を含む3営業日前が「権利付取引最終日」で、この日までに株を買うと権利確定日に株主として名簿に名前が載ります。
年に2回ある会社や、月末ではなく15日・20日が権利確定日の企業もあるので、企業のIRページなどで確認しましょう!
2019年 「権利付取引最終日」の一覧(月末の場合)
7月29日(月)
8月28日(水)
9月26日(木)
10月29日(火)
11月27日(水)
12月26日(木)
鉄則2は「株数をチェック!」です。1単元(原則として100株)持っていれば株主優待をもらえるケースがほとんどなのですが、なかには優待を進呈する条件として「2単元以上」「5単元以上」など指定している企業もあります。何株持っていれば優待をもらえるのか、よく確認しておきましょう。
さて、鉄則3「持ってるべき期間を確認!」です。「株主名簿に名前が載っていれば株主優待を進呈する」という企業がほとんどなのですが、なかには「半年以上」「1年以上」継続して株主名簿に名前が載っている人が進呈対象というケースも(長期で保有する株主を優遇する「長期保有優遇制度」を実施する企業もあります)。極端な例ですが「権利確定日だけ」株を持っていればいいのか、それとも継続して株を持っておく必要があるのかもしっかり見ておきましょう。
優待が魅力的だけれども株が高すぎるとき
株主優待をゲットするための3つの鉄則を見てきました。ここからは、優待が魅力的だけれども株価が高すぎる場合の対処法を考えていきましょう。
たとえば、東京ディズニーランドや東京ディズニーシーを運営する「
オリエンタルランド
」の株主優待は、「1デーパスポート」です。非常に魅力的ですよね。しかし、1単元を購入するのになんと112万3500万円(2018年6月8日終値)が必要です。
高い! でも欲しい……そんな時、あなたならどうしますか? 「いさぎよく諦める」「いつかは買えるように投資資金を貯める」なんて答えるかもしれません。そんな時に使ってほしいのが「株式ミニ投資」や「キンカブ」という制度。これを使えば株を「少しずつ買う」ことができるのです。
「株式ミニ投資」は、1単元の10分の1単位で株式を購入できます。たとえば1単元が50万円の銘柄なら、5万円×10回で1単元となり、株主優待をゲットできます。
記事から株を買えるフロッギーで使っている「キンカブ」は、500円から500円単位で株を購入できる方法です。しかも、買うときは100万円以下であれば手数料ゼロ! 1単元などの必要な単元数になれば、株主優待の取得が可能です(※配当金は単元に満たない場合でも、保有数によって按分されます)。
「※フロッギーで株を買って、優待をもらうための3つの条件
1.権利付取引最終日のさらに2営業日前までにキンカブの約定をする
2.権利落ち日前に株を売らずに保有
3.必要な株数(1単元など)に達している
手元の資金には限りがあるけれど、コツコツ時間をかけてゲットしていきたいときに思い出してください!
株主だけが味わえるお楽しみも!
ここまで、株主優待の基本について触れてきました。実は、株主優待には株主だけが味わえるディープな楽しみもあるんです。たとえば、「 アサヒグループホールディングス 」の優待品は「商品詰め合わせ」なのですが、「株主限定」のビールが用意されています。「 タカラトミー 」は、一般には販売されない特別なトミカやリカちゃんが優待品でもらえることもあって、コレクター人気が高いです。
ほかにも、抽選で海外旅行への招待や数十万円分の旅行券が当たる株主優待を実施している「 タキヒヨー 」「 クロスプラス 」なども有名です。毎年株主総会後に行われる抽選会は、非常に盛り上がります。「 マサル 」など宝くじ券を優待品にする企業もあって、「夢」までも一緒にもらえる楽しみがありますね。
フロッギーでは、株主優待のスペシャリスト桐谷広人さんインタビューほか、株主優待に関する様々な記事があります。下記の記事も参考にして、ぜひ「株主優待のある楽しい生活」をはじめてみてください!
棋士から個人投資家への転身〜桐谷広人さんインタビュー【前編】
優待名人・桐谷広人さんの株主優待授業
優待で家族サービス! 無料で行ける遊園地セット
株主優待に興味がある人におすすめ定番優待セット
・株主優待は、企業からもらえる「お中元」「お歳暮」のようなもの
・買いたい銘柄について、締切日や必要な株数、期間を要チェック!
・株価が高い場合は、積立て制度を使う方法がある
・株主だけがもらえる限定品がある企業も
今回のテーマで取り上げた上場企業
オリエンタルランド
アサヒグループホールディングス
タカラトミー
タキヒヨー
クロスプラス
マサル
また、記載された価格、数値等は、過去の実績値、概算値あるいは将来の予測値であり、実際とは異なる場合があります。なお、最低投資金額は手数料等を考慮していません。投資に関する最終決定はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。
また、優待の内容は代表的な事例をもとに記事を構成しております。詳しくはそれぞれの企業のHP等でご確認ください。